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トリッパー遊園地感想

トリッパー遊園地見てきた!初日の東京と岐阜愛知の計5公演観劇後の感想です。


古びた観覧車のある老舗遊園地をリゾート施設に変えてしまおうとしている社長マサヒロは、整備士に最後に観覧車に乗ってくれと言われて観覧車に乗り、太平洋戦争の真っ只中にタイムトリップしてしまう。
あらすじ苦手なので感想いきます。


対比が沢山使われていたという印象。
チャラいマサヒロと硬いショウヘイだけじゃなくて、マツジとショウヘイ、ユキとハル。
私はユキとハルの、好きな男を戦地へと送り出す姿勢の違いが印象に残っている。
ユキはマツジの声をかき消すほど大きな声で「お願い生きて帰って。」と歌い、絶対にマツジは帰ってくると信じて待つことを約束する。対するハルは、行かないでと泣き、春に見送ることになったことを悲しみ「桜は私の大嫌いな花」だと歌う。ショウヘイは「やっと靖国の桜のもとへ行ける」と言っていたからハルはショウヘイはきっと死んでしまうし帰ってこないと思っていることも表していたのだろうなと思う。


劇中優しさとはなんだろうということを沢山考えていた。きっと相手が前を向けるようにしてあげることなのだろうなと思っていた。


ショウヘイは、遊園地を閉園して戦争に行くマツジに「兄貴はいつも独りよがりだ。勝手になんでも決めて、そんなに良い人ぶっていたいのか?」と激怒する。マツジは「山ノ内家のため。お前は何も心配しなくて良い。」と答える。
私はマツジの気持ちもショウヘイの気持ちもよく分かる。置いていく方と置いていかれる方どっちが辛いかなんて、比べられるものではない。二人ともお互いのことが大切だから何も言わないし何も言ってくれないことを怒る。
俺は絶対に生きて帰ってくる。と言ったマツジは、本当に生きて帰って来られると思っていたのだろうかと思う。皆が希望を失わず、前を向いて生きられるように果たせないかもしれない約束をしたのだろうなと思う。
ここもショウヘイとは対照的で、ショウヘイは自分は生きて帰ってくるとは絶対に言わなかった。きっと生きて帰って来たいのだろうなと分かるけど、真面目なショウヘイはできない約束はしない。その前にハルに告白されそうになったけれど好きとは言わせなかった。抱き締めるシーンで確かにお互いの気持ちは通じていたけれど、皆が待たなくて良いように、自分がいなくても前を向けるようにしたのだろうなと思う。
マサヒコも許嫁に手紙を渡さなかったな。相手が読んでも前を向けなくなるだけだと思ったからせっかく書いたのに渡さなかったんだと思う。


ショータイムでマサヒロとショウヘイが披露する曲に「前を見て上を見ろ」という歌詞があった。優しさとか愛とか、相手が後ろを振り向かずに幸せになれるようにすることなんだろうなと思った。


マサヒロは歴史を変えられるなら祖父を助けたかったと一幕の終わりで嘆いていたけど、マサヒロのタイムトリップでそれぞれの不器用な優しさがちゃんと繋がっていったなと思った。
マサヒコは清美さんを幸せになってと送り出すことができたし、ショウヘイは自分にとってこの遊園地がかけがえのないものだと気付いた。劇中帰ってきたとは明言されないけれど、ショウヘイそっくりの孫が出てくることで生きて帰って来てハルと結ばれることができたのだろうなと思う。

辰巳くんの赤紙をもらうシーンの演技が秀逸だった。
最初やっと来たと言わんばかりに少し嬉しそうな顔をするのにすぐ少し戸惑ったような顔をして、所在なさげにする。戦争に行くには自分には大切なものが多すぎる。といった顔だった。マサヒロと出会っていなかったらあんな顔しているだろうか。


泣きながらでも一生懸命「山ノ内ショウヘイ、万歳」と言うハルちゃんが健気でとても悲しかった。好きな人をああいう風に送るのってきっと耐えられないと思う。


最後はマサヒロが皆を守ることで遊園地を守った。現代に戻ってきて、山ノ内港遊園地はまたマサヒロに守られることになって終わり。


とてもあたたかい舞台だったな。
泣いてしまうけどすぐコミカルなシーンになったり、感情が忙しかった。
初日見たとき失礼ながら河合くんを見に来たつもりだったのにこれはオペラグラスいらないなと思って見られた。戦時中の話なのに皆が優しくて一生懸命でわくわくしながら見られた。

マサヒロがいつも前向きで明るかったから暗い話にならなかったなと思ったし、河合くんの力強い歌声ってこういう話にもすごく映えるんだと思って見ていた。


残りは大阪。東京で見たときより東海地方公演パワーアップしていた印象なので、どんな風に育っているのか楽しみにしながら残りほんの少しだけ見に行ってきます。